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2023年01月05日 [世界史の理解]

日独伊三国同盟とリッベントロップ(6)

オーストリア併合では主役を演じられなかったリッベントロップでしたが、次のズデーテンの併合とチェコとスロバキアの保護国化ではゲーリングと並び主たる悪役を十二分に演じました。新参のナチス幹部であったリッベントロップはここぞとばかりにヒトラーに評価されてもらうために侵略政策の急先鋒を勤めます。しかし、ポーランドのベック首相はハーハやシューシュニクとは違い、恫喝外交も通用しませんでした。ポーランドにドイツ国内で着る外交官制服で訪問してポーランド回廊の返還を要求しますがうまくいきません。最後はベックに病気を理由とする交渉の短縮をさせられ何の手見上げも持たずに列車で帰国の途につきました。雪のポーランドの荒野を走る列車の外を眺めているとふと良い考えが閃きました。そういえば、日独伊三国防共協定の時に、部下の発案で『条文の精神に反しない』としておいてよかったとリッベントロップは思ったでしょう。ベルリンに戻りヒトラーに帰国報告を済ませてこの発案を提案すると、あの反共の闘士のヒトラーが容共のヒトラーに変わっていました。独ソ不可侵条約への道が開かれた瞬間でした。

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