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2023年04月11日 [世界史の理解]
リッベントロップと中立国(2)
今回はヨーロッパの中立国。ナチスドイツに隣接した地域なので、各国とも自国の存続のために親独中立を保とうと必死の努力をします。親英中立を取ろうとするとノルウェイのようにすぐに侵略の対象になってしまうのでした。自国の鉱産資源を売りにするか、金融貿易面で存在をアピールするかでした。スペインのようにスペイン継承戦争以来のジブラルタルの領有問題を抱え、内乱時にドイツにお世話になったスペインなどはほとんどドイツの同盟国でしたが、フランコの隣国ポルトガルのサラザールへの尊敬と自分の家系にユダヤ人の血が入っていることがドイツ側参戦しなかった理由でしょう。しかし、スニェール外相らのドイツ心酔派たちの不満は高まる一方だったので、独ソ戦において義勇軍として主にレニングラード方面に投入されて独ソ戦の長期化を直に体験させることになりました。中立国各国ともイギリスとは何らかの問題を抱えていたので、そこをもっとうまく扱えなかったドイツの失策とも言えるのです。詳しくは近刊Neutralitiesにて