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[世界史の理解]

2023年04月02日

リッベントロップと現代(1)

2023年3月21日の中国の習近平国家主席の訪露に続き、3月26日にはプーチンロシア大統領が国営テレビにおいて、NATOと日本、太平洋地域との連携強化の動きについて、1930年代の日独伊による防共協定から三国同盟に至ったことを挙げ、西側諸国は新たな枢軸を形成し始めていると発言した。ドイツとしてはフランス、スペインでの左翼政権の誕生への対抗措置、日本の場合には2.26事件によるソ連との対決を重視する皇道派が敗北しアメリカとの対決を重視する統制派が勝利したことにより、日独双方にとって対ソ政策に違いが出ていることには十分注意する必要があります。ドイツを対ソ防波堤として重視していたイギリスにとっては、ドイツの行動は歓迎すべきものであったので、この流れをさらに加速させようとロンドンに大使として送り込まれたのが他ならないリッベントロップであったわけです。中露の接近は両国と領土問題などの問題を抱える日本にとっては由々しき事態といえましょう。半導体の輸出規制強化により中国の反発が予想されます。両国の動向には常に注視する必要があります。

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  • 既存の組織ではやりにくい横断的な試みができるところ。最初の試みである三国同盟秘史もドイツだけでなくイタリア、日本にもかなり言及。次の試みの慶大専科も世界史と英語が完全に一体化しています。また、現在準備中の孔明コンテストに至っては、外国語も英語だけではないし、勉強面でも理数も扱うし、スポーツもピアノも課題に入ります。