[世界史の理解]
2023年04月30日
リッベントロップと日独伊三国同盟(5)ドイツ外務省関係者続
リッベントロップが死刑に処せられたニュンベルク裁判で戦争犯罪への断罪は終わったと考えている方も多いと思います。ドイツでは、ニュルンベルク継続裁判、非ナチ化裁判が行われて、1979年にはナチス犯罪への時効適用なしが決定されました。この継続裁判ですが、12も行われましたが、11番目の大臣裁判がナチス要人も多く最も注目されました。外務省関連では、ヴァイツゼッカー外務次官の他、シュテーングラハト次官、ボーレ次官、ケプラー次官、リッター次官、ヴェールマン政治部長、フェーゼンマイアー駐ハンガリー大使、総統官邸関連ではランマース、マイスナー、デイートリッヒ、財務省関連では大臣でヒトラー死後のフレンスブルク政府外相のクロージク伯爵、プール帝国銀行副総裁、内務省ではシュトウカート次官、SSではシェレンベルク国家公安本部第6局長らが裁かれた。他の継続裁判が実行犯対象だったが、大臣裁判は立証が困難なこともありナチス同調者扱いとされ死刑判決はなく刑期も短いのが特徴と言えるであろう。他の継続裁判の医者裁判や特別行動隊裁判は死刑判決が非常に多いが、彼らも同調者といえるであろうが直接殺人に加担しているために厳しい判決となった。既刊の『三国同盟秘史』『リッベントロップ』にも扱われているが、ニュルンベルク裁判と東京裁判は後日取り扱う予定です