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三国同盟秘史

リッベントロップ(第8話)

狂ったシナリオ

第8話は日独伊三国同盟調印後からドイツ軍のモスクワ占領失敗と太平洋戦争勃発までを扱う。そもそも第8話の題名さえ厳密に言えば誤りかもしれない。狂っているシナリオの方が正確であろう。日独双方の過大評価による判断ミスももちろんそうだが、日独の直接占領による支配そのものが時代遅れだった。英米は第一次世界大戦以後は、植民地や勢力圏の自治独立を促す方向で進んでいるのとは対照的であった。日独の時代遅れがより顕在化していくのがこの時期だったと言えるだろう。ヒトラーの目標は東方におけるドイツ人の生活圏の確保とユダヤ人のいない社会だったが、1941年12月に前者は実現不可能となり後者も一時はマダカスカル島へのユダヤ人移送も検討されたが実現不可能となり、ヒトラーにできることは支配下のユダヤ人絶滅だけとなったことは、翌1942年1月にヴァンゼー会議によるユダヤ人絶滅が決定されたことに直接つながることであった。では、日独双方の勝手な根拠なき判断による政策実行を見ていくこととしよう………

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